「文明崩壊」読了

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上) 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)


文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下)


毎日少しずつ読んでいたのをようやく読了。
さすがに扱っている地域も時代もバラバラで一気に読むのは難しいのだが、興味深く面白い内容だった。
無論、歴史書として見たらとか内容が地球規模で各論が物足りないとか不満がないではない。
だが、このように一つのテーマで歴史と現在の問題をリンクさせて論じるという形式もなかなか良いのではないかと。
銃・病原菌・鉄」でも思ったが、慧眼というか、発想が従来の学問の枠から外れているというか。
さらにそれが発想に留まらず、ここまでの本を物にするのがまた尋常じゃない。
時代、地域ともにバラバラなのを資(史)料を集めそれを読み込んでアウトプットと考えるだけで気が遠くなる。
一方、一次史料にあたってない、既存の研究の良いとこ取り的な批判も分かる。
が、やりすぎると史料を揃えるだけで本論に行き着けないから、この手法もある程度は許容されるべきかと。
問題なのは内容なわけだし、細部でおかしいところがあれば、それこそ一次史料から論文なりで批判すればよいかと。


環境問題についても常識*1だと思っていたことが単なる思いこみや無知によるものだと思い知らされた*2
しかし、農業ってのは思った以上に環境に影響があるんだな。
オーストラリアもそういう意味では自然に恵まれた国だと思ったんだけど。
先入観ってこわいねえ(シミジミ)。

*1:例えば環境問題は産業革命以降顕著で、それ以前にはほとんど問題なかった等々。

*2:言い訳じみているが、そもそもの環境問題に詳しくないってのはあるが。