『宇宙の騎士テッカマンブレード』第20話「復活! 怒りの変身」

アーマープラス テッカマンブレード


連合防衛軍の反攻作戦はテッカマンエビルの前に潰えた。
侵攻部隊は壊滅し、ソルテッカマンを失った防衛軍本部にラダム獣の大群が襲いかかる。
その地下ではアキとノアルが拘束されていたDボゥイと再会する。
だが、救出にきた二人に対してDボゥイはテッカマンとして戦うのを拒むのだった……


冒頭で侵攻するラダム獣と対照的に、オービタルリングを這いずっているバルザック
転落人生極まれり、だな。
エビルのボルテッカをかわして生き残っているだけ幸運か。


物の見事に逆撃を喰らう連合防衛軍。
これもコルベットが想像以上のソルテッカマンの戦果に目が眩んだからか。
とはいえ、まさかここまでソルテッカマンがオリジナルのテッカマンに歯が立たないとは思わなかったんだろうが。
ラダム獣がオービタルリング812エリアから200、蜘蛛の巣から300と降下。
それら以外にも軌道エレベーターから降下するラダム獣もいるようだし、総勢はざっと1000以上か?
ソルテッカマンが仮に小隊でいたとしても対処するには難しい数。
対空レーザーなどの大型火器なら集中攻撃すれば多少倒せるのだろうが、それでも厳しい。
そんな数をすぐに集めて攻撃できるのもテッカマンの感応波で一糸乱れず行動するラダム獣あってこそ。
これだけ技術差があっては勝てんわな。
逆に言えば総力戦では勝てないからこそ、ソルテッカマンで一点突破を計ったとも言えるか。
結局は賭に負けてこの体たらく。
しかし、しょうがないといえばしょうがないか。
元々分の悪い賭けなわけだし。
コルベットがそれを自覚して決死の覚悟で指揮していたら格好良かったんだけど(苦笑)。


ラダムの防衛軍本部攻撃に気が付き、Dボゥイの説得を再開するアキとノアル。
だが、心を閉ざしたDボゥイには通じず。
Dボゥイの負けん気を刺激してその気にさせようとするも失敗し、Dボゥイに懇願するノアルの姿が痛々しい。
結局それも失敗してしまうところもノアルらしい。
何も考えず飛び出して成り行きでソルテッカマン2号機に乗り込むあたりも。
結局の所どう足掻いても前座でしかないのが哀しい所だが(苦笑)。


しかし、ラダム獣の大群による急襲で混乱しているにしてもソルテッカマン2号機はパイロットが候補すらおらず、補給体制も整ってなかったり、出撃しても他の軍の援護もないってのは流石に酷すぎる。
危機を演出するためとはいえ、流石にどうかと。
せめてソルテッカマン小隊の隊長をバルザックにして小隊員はエビルのボルテッカで全滅。
急遽残ったパーツででっち上げたソルテッカマン予備機、とかならまだ分かるんだが。
それらとは別にちょっと気になったのが、弾切れで機動性が落ちるという台詞。
フェルミオンをスラスター系に回しているとも思えないんだが何でなんだろう?
まだ完成したばかりで調整が不完全なだけか?


アキが説得を再開するも、バルザックの「化け物」がリフレインしているDボゥイは自ら壁に頭を連打。
これはかなりヤバイ。
今までずっと本音を隠して無理矢理戦い続けた反動もあるだろうが、結局の所、悪魔=テッカマンとなってまで戦うべき何か、が無かったということなんだろう。
自我を失った自分が仲間を殺すという悪夢に耐えきれなかった。
かつて家族や仲間を失ったからこそ。
そんなDボゥイに必要だったのは自分を信じてくれる仲間だったんだろう。
無論、アキやミリーは信じていたんだろうが、こういうのは口に出して言わないと分からない。
特にこの時のDボゥイのように己を見失っている時は。
そんな時にアキの身を賭した説得――「あなたの30分を、私に頂戴」――は効いただろうなあ。
女性にここまで言わせておいて仲間意識しかないんだから罪な男ではあるが(笑)。


ということで、復活したブレードの前には敵無し。
アクションに使い回しが多いのが残念だが、改めてブレードとソルテッカマンの戦い方の違いが如実に分かる。
唯一ラダム獣に通用するフェルミオンを弾丸として使用・消費するソルテッカマンに対し、ブレードはテックランサー・クラッシュイントルードなどの近接格闘系と突撃系の武装を主に使用するが、攻撃回数の制限はほぼ無し。
更に切り札としてに広範囲・高出力だが使用回数1回のみのボルテッカを装備している。
こう見ると継戦能力の違いが明白。
ただブレードには30分の変身リミットが有るのに対し、ソルテッカマンはそういった制約は基本的に無く、操縦者の体力とフェルミオンが保つ限りは戦闘可能。
どちらも一長一短が明確なのだが、基本性能の差が大きすぎてそもそもの比較対象にはならなかったり。
その辺はやはりラダムと地球の技術力の差だな、残念ながら。
しかしながら、その技術格差を冷静に自覚してあらゆる手段を駆使して何とかその差を埋めようとするフリーマンが格好良く見える訳だ。
って、ブレードとソルテッカマンの比較がいつの間にかフリーマン万歳に(苦笑)。


それはともかく。
20話にして拗れに拗れたDボゥイの問題がやっと解決。
15話の暴走以降ずっとだったから、主人公の挫折という点では異例の長さではないかと*1
逆にだからこそDボゥイがこれからの辛い戦いを続けていけるのが納得できるので、これはこれで正解だったのではないかと*2
何しろこれからもっと辛くなっていくんだから。
そういう意味ではDボゥイに同情する。


2クールのクライマックスに向けてキーとなる話ではあるのだが、作画は結構残念なことに。
特にアキの見せ場なのに顔が怖い時が結構あったのはもうちょっと何とかならなかったのかと。
その割りにDボゥイは意外に崩れてなかったりするし*3


Dボゥイが復活したと思ったら、いよいよ彼女が登場。
ここからの盛り上がりも凄いことになりそうだ。
ということで、次回は第21話「愛と死の予感」
仮面の下の涙をぬぐえ

*1:無論それだけでなく、ソルテッカマンの開発などのエピソード込みだが。

*2:最近の風潮からするとやりたくとも出来ないだろう

*3:野郎は多少顔が怖くても問題ない――特にDボゥイは――ってのはあるにしても