『宇宙の騎士テッカマンブレード』第22話「ミユキの決意」

アーマープラス テッカマンブレード


ラダム基地より突如脱走し地球へ向かったテッカマンレイピア。
レイピアを追って地球に降りたテッカマンエビルだったが、感応波が途絶えレイピアを見失ってしまう。
同じように感応波を辿ってきたテッカマンブレードは再びエビルと戦うが、エビルの新たな力PSYボルテッカに自身のボルテッカを逆用されて敗北する。
一方レイピアはその姿を人間に変え砂漠を彷徨っていた……。

スペースナイツ基地のオペレーションルームでペガスのパワーアップをシミュレーションするフリーマンとミリー。
損傷したペガスを修理する本田のおやっさんとレビン。
負傷したDボゥイとノアルもトレーニングに余念がない。
ブレードのボルテッカが通用せず敗北という事態において誰もあまり落ち込んでいないのがある意味凄い*1
前回の件で皆に耐性が出来たのか、具体的な目標があるせいか。
ま、もっと暗くなるネタがこれから満載だからこんなことで落ち込んでいられないというところか(苦笑)。
ノアルの軽口に一々反応するアキがちょっと可愛い。
だが、そんなアキを前にしても全く反応せず黙々とトレーニングを続けるDボゥイの姿を見ると可哀相になってくる。
可哀相だが、惚れた相手が悪かった……。
フリーマンのエビル対策をレビンから聞いてようやく言葉だけ反応をするDボゥイに対して微妙な表情のアキと憤るノアル。
アキは理性では分かるが愛故に、ノアルはどうしても感情が先走って、というところか。
そこがノアルの良いところではあるのだが、毎回フリーマンに踊らされている感が哀れだ(苦笑)。


砂漠を彷徨うミユキ。
遂に素顔で登場。
彼女の目的がタカヤ=Dボゥイに会うことがここで明らかに。


レイピアを捜索するエビル。
テックセットしていないからか、自分で感応波を押さえているのか、完全なテッカマンじゃないからか。
とにかく理由は定かではないがエビルでも発見できず。
多分ブレードとの戦闘から少なくとも1〜2日は経っているとは思うが、休息など挟みながらも見つけられないのは一人だからか。
影でラダム獣を使っていそうではあるが、ラダム獣は簡単な命令と本能で活動しているようだし、監視型でない限り情報を報告とか出来なさそうだからやむを得ないか。
そういう意味ではラダム獣の数少ない欠点であり、ひいては基本的に人手が少ないラダムの欠点とも言えるか。
発見できないレイピアに業を煮やし、ブレードを先に倒す事を決意するエビル。


何故エビルの決断が遅れたのか。
結局こうなるなら先日の戦いの時にトドメを刺しておけばよく思えるので、一見するとエビルの判断が遅いように思えるが、実はそう簡単な話でもなく。
レイピア脱走の時点ではレイピアの裏切りは確定しておらず、不安定なだけor事故の可能性の方が高かった。
基本テッカマンであれば防衛軍は敵ではないのだが、状態が不明なだけに気絶していたり、変身解除していたら簡単に捕獲されてしまう。
そんな状態のレイピアを人類の手に渡すわけにはいかないというのがエビルの第一優先目標だった筈。
ブレード打倒も優先順位は高いが、PSYボルテッカの有効性が実証された以上レイピア捜索よりは落ちる。
ブレードと戦った時点ではこういう考え方だっただろう。
だが、数日の捜索後もレイピアを発見できなかった。
エビルはブレードを行動不能にしたこともあり、感応波を強力に発信しながら捜索していただろう。
数日あればラダムテッカマンなら自身で動けないにしてもエビルの感応波に気が付いて自ら感応波を発する事は出来る。
それでもレイピアが応えないということは故意に無視していると判断するに十分だろう。
ということで、ここにきてエビルは考えを変えたわけだ。
だから、今回で「何故レイピアまで裏切ったんだ」と独語している。


砂漠の民に助けられるミユキ。
落ちた場所が悪かったとしか言いようがないが、恐らくあれが彼女の限界だったのだろう。
もしくはエビルに察知されるのを恐れてか。
倒れる前の「タカヤお兄ちゃん」や人に助けて貰って礼を言ったりしていることを考えるとミユキが洗脳されていないことが分かる。
だからといって素性を話せるわけがなく、助けられたのにどこから来たかも言えないという不審人物に。
そんなミユキを訳ありらしいと素性を詮索しない族長は中々の人物。
その配慮も突如襲ってきたラダム獣の前に意味が無くなるわけだが。
恩人の孫の危機を見過ごせずレイピアに変身して助けるミユキ。
戦闘では本調子でないのに加え経験不足からラダム獣相手でもちょっと苦戦する。
ブレードも最初は結構ラダム獣に苦戦していた事を考えるとこんなものだろう。
そもそものミユキが兄たち以上に武道を修めていたとも思えないし。
そして問題のシーン。
ラダム獣相手に全く行動出来なかった砂漠の民が、そのラダム獣を倒した相手をいきなり「化け物」と罵る理由が分からない。
助けられた子供のようにその姿に怯えたり、逃げるならまだ分かるんだが。
どうもここはテッカマンを「化け物」にしたいが為に、「化け物」と言わせているようにみえる。
ここはもうちょっと巧い処理の仕方があったのではなかろうか。
「化け物」と罵られ拒絶されたのがきっかけになったのか、突如苦しみ出すレイピア。
一見「化け物」と言われたことが要因のように見えるが、実は……。


修理中の防衛軍本部基地でDボゥイのフリをしてスペースナイツ基地に案内させるエビル。
既にラダムに所在の知れている基地を暢気に修理中か。
これに関してはエビルの言うことが尤も。
更にセキュリティもザルではフォローのしようも無い。
一般にテッカマンが元々地球人というのは伏せられている可能性があるし、ラダムといえばラダム獣という先入観があるから致し方ない気もするが、にしても。
間接的にこれが防衛軍壊滅の引き金になるんだから因果応報か。


双子の兄弟と知って戦わせようとするのはDボゥイを人間扱いしてないからだ、とフリーマンに食ってかかるノアル。
人情としては尤もなのだが、考えの浅さは否めない。
しかも、それを最年少のミリーに指摘されるとは流石に情けなさ過ぎる。
ノアルが仲間思いの直情径行の良い奴で、ミリーがフリーマンの一番傍でその行動を見続けていたからこその構図なので、多少割り引いて考える必要があるが。
ミリーもテッカマンデータのリークについては教えられてはいないだろうが、恐らく先の特別任務*2やシミュレーションをしている時点で気が付いたのだろう。
そういう意味では流石フリーマンがスペースナイツに選出しただけはある。
ここまでエビルの事を言われても顔色一つ変えなかったDボゥイが驚き、更にフリーマンに礼を言う。
Dボゥイが礼を言う事自体が珍しいが、Dボゥイがフリーマンをはっきりとチーフとして認めた瞬間と思うと感慨深い。
Dボゥイもこれまで認めていなかった訳でもないだろうが、如何せん考えが中々読めないし、表だって行動したり、目に見える成果を上げることが少なかったのでフリーマンという人物を計りかねていたところがあったのではなかろうか。
なので、アキやノアル、ミリー程には全幅の信頼を寄せるまではいってなかったが、今回の件でDボゥイの信頼を勝ち得たのではないかと。
そのある意味重い礼を照れるでもなく、謙遜するでもなくあっさり受けるフリーマンが大物らしくて良い。


誤解も解けた所にエビルの襲撃。
スペースナイツ基地の対応は早かったが、相手がエビルではそう保つはずもなく、早々にバリアは破壊され、地上施設から餌食に。
ここで後先考えず行動するのがDボゥイなのだが、流石にペガスが改装中では出撃できず。
アキの理詰めの説得で何とか、といったところか。


再び兄を捜して一人砂漠を放浪するミユキ。
碌に休息も取れず、昼間の砂漠を素足で歩く彼女を激しい頭痛が襲う。
単なる頭痛とは違うそれの意味するものは……。
というところで次回へ。


今回はなんと言っても別作品じゃないかと思えるくらいの作画の良さが見所。
ブレードは出てこないしテッカマン同士の戦闘こそ無かったが、レイピアvsラダム獣は短いながらに見応えがあった。
途中でそこまで要らないのでは? というくらい長い回想シーンがあったが、他がこのクオリティであるなら文句なし。
しかし、15話の時もそうだったが、やはりミユキがメインの回は扱いが違うのか(苦笑)。


遂に基地をエビルに発見されたスペースナイツ。
ペガスの改装は間に合うのか。
そしてミユキは兄と再会できるのか。
次回は第23話「傷だらけの再会」
仮面の下の涙をぬぐえ

*1:レビンを除いて。だが立ち直りが誰よりも早いのでノーカウントの方向で(笑)。

*2:防衛軍本部をハッキングしてアキとノアルをDボゥイの独房まで案内した任務。