浜井浩一『刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフ』
刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフposted with amazlet on 07.04.05
読了。
『犯罪不安社会 誰もが「不審者」?』の浜井氏の担当パートが中々興味深かったので、その元となった本書を購入。
刑務所の実状に今まで興味はほとんどなかったのだが、平易な記述ながら専門用語などの注も分かりやすくすんなり読めた。
刑務所内で特異な地位にいた筆者の立場から見た刑務所の実状である点は注意する必要があるが、色々示唆に富む内容だった。
特に刑務所の過剰収容が凶悪犯罪の悪化によるものでなく、何らかのハンディキャップによって社会から切り捨てられた弱者の増加によるのではないか、というのは正直盲点だった。
そう言う意味では確かに「刑務所から社会が見える」*1というのは間違いではない。
本当に大雑把な感想だが、本書は刑務所と過剰収容についてかなり細かいところまで論じられているのでオススメ。
ということで、これから『犯罪不安社会 誰もが「不審者」?』を再読しよう。
前提とする知識の質量ともに違うし、以前とは違う読み方や発見があるだろうから。
*1:第1章タイトル