北方謙三『楊令伝 十 坡陀の章』


楊令伝(10(坡陀の章))


楽天ブックスで予約したのが届いたのでまず読了。
以下、ネタバレはしてないつもりだけど気になる人は読むべからず。











流石に最強の敵である童貫の死後なだけあって大きく話は動かず。
実際は歴史的イベントが立て続けに起こっていたりするが、梁山泊はある意味凪状態なので。
青蓮寺というか李富の思惑は概ね読めてきた感があるが、なんか微妙。
そもそも子供を使うという謀略というか野望からして微妙っちゃ微妙なんだが。
しかし、そろそろ終わりが見えてきたというのに新キャラが出てくる出てくる。
世代の話でもあるから不思議じゃないけど、あの出し方には感心する(笑)。
個人的に嬉しかったのは石秀の剣のエピソード。
思えば公孫勝は何度か石秀を思い出したりしていたが、楊令に渡した致死軍の剣に触れたのは初めてだったと思うので。
無論、個人的に石秀が好きだからこそではあるが、こうやって折に触れて死んだキャラが思い出されるのが北方水滸伝の味だと思うので。
一方で全く思い出されないキャラとかいるけどね。
例えば董平とか(泣)。


ま、そんな個人的な思い入れはともかく、次巻から本格的に金と南宋の戦いになりそう。
そんな状況で梁山泊がどう動くのか、或いは動かないのか。
期待しつつ次巻を待ちたい。