『宇宙の騎士テッカマンブレード』第24話「引き裂かれた過去」

宇宙の騎士テッカマンブレードDVD-BOX(初回限定生産版)




テッカマンブレードテッカマンエビルのPSYボルテッカをハイコートボルテッカで撃ち破った。
生身でようやく妹との再会を果たすDボゥイ。
だが、エビルとの戦闘で重傷を負ったミユキは意識を失ってしまう。
基地に収容されたミユキを見守るDボゥイにフリーマンが語りかける。
「もう全てを話してくれてもいい頃じゃないか。相羽タカヤ」


相羽タカヤ、とDボゥイの正体を言い当てたフリーマン。
一番大きな決め手はシンヤという双子の弟の存在か。
それにミユキという妹がいること、宇宙船の操船スキルがあること、宇宙から地上に落下したことなどの条件を追加して調べればそう難しくはない筈。
ラダムが外宇宙から侵攻してきたと考えれば、調査船団から調べるのが妥当だろう。
とはいえ、ラダムやテッカマンの研究、スペースナイツの指揮、連合防衛軍との折衝などやること山積のフリーマンにとっては中々厳しかったろうけど。
こればかりは他人の手を借りる事も出来ないだろうし。
言い逃れをしようとあがくDボゥイだったが、言っている傍から妹と血液型が同じと断言しては意味なし。
そこまで混乱しているとも言えるし、それだけ妹が大事とも言える。
Dボゥイの逃げられない状況で問いつめたフリーマンの作戦勝ち。


療養中のエビルを感応波で叱責するオメガ。
レイピアを討ち洩らし、ブレードに敗れた事を咎めるのは当然。
だが、下手にエビルを更迭したりせず、残りのテッカマンの覚醒を待ってブレードとレイピアの抹殺を指令。
現状のラダムの優位に慢心せず戦力を出し惜しみしないあたりは流石というべきか。


Dボゥイの過去。
3年前、アルゴス号は土星とその衛星を調査に向かったが、土星のリング付近でラダム母艦と遭遇。
コンタクトがなく、生命反応も無いラダム艦の調査に乗り込んだ相羽孝三、タカヤ、シンヤ他計6名はテックシステム取り込まれる。
その後アルゴス号に残っていたミユキと第二班のメンバーも全て取り込まれ、アルゴス号もラダムの支配下におかれた。
テックシステムに適合しなかった人間はテッカマンとなれず程なく死亡、適合者はテッカマンとしてラダムの知識と本能を植え付けられた。
ラダムの兵器となるために。
テッカマンとなったのは全部で7人。
Dボゥイ達が知っているのはダガー、エビル、レイピアのみ。


テッカマンブレードの誕生。
体質が合わずテックシステムから排除された相羽孝三がラダムの精神支配を受けていなかった次男のタカヤをシステムから救出。
タカヤをアルゴス号の脱出カプセルで地球へ。
その頃、地球は既にラダムの攻撃を受け、オービタルリングを占拠されていた。
半年程でオービタルリング付近に到達したタカヤはテッカマンブレードとしてラダムに戦いを挑む。
孝三に言われた使命を果たすために。
「タカヤ、お前の使命とは奴らに肉体を乗っ取られたシンヤやミユキを、お前の手で倒すことだ」
「さらばだ、タカヤ。この名前も今日から忘れるんだ。お前が倒す相手は兄でも弟でもない、侵略者ラダムなのだ!」


ざっと簡単にまとめてみたが、アキやおやっさんが涙するのも分かる。
一人で背負うには重すぎるし、辛すぎる。
しかも、それを誰にも言えないというのが更に。
初期のDボゥイが記憶喪失と言い張り、一人で無理に戦おうとした理由も今なら分かる。
分かるだけに、切ない。
しかし、相羽博士も凄い。
己が死ぬと分かっていながら。
息子が兄弟と血で血を洗う戦いをしなければならないと分かっていながらもやるべき事をやれるところが。
逆に己の死期を悟ったからかもしれないけど、それでも凄いと思う。
そしてさりげなく格好良かったのがフリーマン。
Dボゥイの話に心を動かされたようには見えないが、Dボゥイや相羽博士の思いを汲み取り、Dボゥイのようにラダムと戦い続けると静かに言う場面は印象的だった。


手術も終わり、目覚めるミユキの元に向かうDボゥイとアキ。
やっと落ち着いて再会を喜ぶ二人。
いつになく穏やかな顔のDボゥイだが、ここで終わらないのが「テッカマンブレード」。
ミユキは自分が排除された不完全なテッカマンであり、死期が近いことを告げる。
再会を喜んでいる時にこんな言い難い事を言えるのが凄い。
流石相羽孝三博士の娘であり、Dボゥイの妹といったところか。
だが、Dボゥイにしてみればまさに天国から地獄。
上げ落としにしても酷いし、これで終わりでは全くなかったりするが……。
それは先のこととして、次回へ。


半分、いや1/3ほど使い回しだったが、作画はあまり良好とは言い難かった。
Dボゥイやアキのアップは多少マシだった気が。
いつもは贔屓されている感のあるミユキは今回は並だった。


話数を確認してみれば24話。
ミユキの登場からここまでもかなり怒濤の展開だったが、ここからが2クール最大のクライマックス。
ということで次回は第25話「新たなる悪魔」
仮面の下の涙をぬぐえ