『水滸伝 永遠なる梁山泊』第七、八巻

水滸伝 永遠なる梁山泊 第8巻
コニービデオ (2005/05/21)
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レンタルにて視聴。
感想を書いてなかったが、祝家荘以降のエピソードの飛ばしっぷりときたら正直やり過ぎだと思っていた。
が、108人揃ってから微妙に独自の展開を始めた7巻後半くらいから結構面白くなってくる。
燕青と李逵が出る泰山のエピソードで予想外に龐万春とその妹*1が出てくる辺り。
確かに原作の方臘編でも頭領を二桁近く殺した敵役の大物だが、まさかこんな形で絡んでくるとは。
しかも結構良い奴になってるし。
何とか招安を受けてから方臘編に突入するわけだが、蘇州戦の後、杭州宋江が方臘と話し合う。
そこでの論戦で宋江に説得力がないというか、これまでの経緯から方臘の言に思わず頷いてしまうようにしているのが巧い。
梁山泊が方臘と共に宋に背いて王朝を建てるとかになったらそれは既に水滸伝じゃないとは思うが、それでもと思わせるところが巧い。
にしても、貪官汚吏の汚職の描写とか挑発の仕方が巧すぎるよな。
流石本場は違う(苦笑)。


方臘編と言えば唐突に頭領死にまくりが定番だが、その辺も予想外に上手く処理されていた。
既に宋江が招安と唱え始めた段階でヤバそうな雰囲気で、招安を受けた段階で某大物がほとんど憤死のような形で死んでから、離脱、引き抜きが相次ぐ。
何が何でも招安を望む宋江、それに従う盧俊儀、呉用とずっと招安に懐疑的な他の頭領とのズレが徐々に大きくなっていき、それが頭領の死もしくは退場となっている。
原作だと終わりが近いからバタバタ死んでる状態だったのと比べるとずっと良い。


残すは3話だが、すっかり梁山泊滅亡の元凶となった宋江がどういう最期を迎えるのか。
招安にはずっと不満そうでまだ生き残ってる武松あたりがどう動くか。
原作通りには終わりそうもないので楽しみだ(苦笑)。

*1:妹の原作での登場は未確認。