ドン・オーバードーファー『テト攻勢』草思社
図書館で借りたのをようやっと読了。
1973年とテト攻勢から間もない時期に出版された割に――というと失礼だが――テト攻勢についてかなり詳細に考察している。
当時著者が記者としてテト攻勢時に居合わせたというのも納得できる内容。
またアメリカの政治家や軍人だけでなく元解放軍兵士などにもインタビューしており、アメリカからだけでなく、当時の出来る範囲でベトナム側からテト攻勢を理解しようとしているのは評価に値する。
内容的にもテト攻勢の戦闘それについてだけでなく、両軍の事前の状況に対する認識や準備。
テト攻勢中やその後のアメリカの反応や解放軍側の状況認識などについても詳述されている。
特にアメリカ政府や世論の動向の方がかなり詳しく、政府側とマスコミ側の見解の相違など非常に参考になった。
と、結構良い本だと思うんだが、今では図書館か古書かでしか読めないというのは悲しいな。
文庫か新書になっても十分通じる内容だと思うんだが。
新たな草思社には過去の財産を文庫か新書でもいいので是非有効活用して貰いたいところ。
って、中国に関するものは結構アレな本が多かったりするのが問題だが(苦笑)。
