北方謙三『楊令伝 七 驍騰の章』

楊令伝 七
楊令伝 七
posted with amazlet at 08.10.29
北方謙三
集英社
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取り敢えず読了。
遂に……が、ってことで以下に多少ネタバレ有り。

























色々とあったが、やはり呼延灼と趙安の死が一番印象に残ったか。
趙安はあれで異常にしぶとかったから、ようやく死んでホッとしたというか(苦笑)。
穆弘が勝ちながらも死に、趙安が負けながらもしぶとく生き残ったので何となく好きにはなれなかったのがそもそもの始まりだからな。
死んでみるとあれはあれで人物だったなと思えるが。


呼延灼の死は楽天ブックスで思いっきりネタバレされていたので意外ではなかったのだが、その死に様にはちょっと感動した。
てっきり因縁のある趙安と相討ちみたいになるのかと思っていたが、そんな次元の話ではなかった。
軍人ではなく、父親としてこれ以上ないくらい見事な死に様で。
元々呼延灼は傑出した軍人でありながら、情に篤く、軍務を終わらせてから友の死に涙するあたりが好きだった。
最後まであくまで呼延灼らしく逝ったのは良かったかなと。
しかし、「楊令伝」になってからの史進呼延灼の漢同士の付き合いが好きだったんだが、もう見られないかと思うと寂しいものだ。


楊令には意表を衝かれ、思わぬ所で趙安らを失うなど童貫側は今回はあまり良いところはなかったが、そこが逆に怖いところではあるな。
次巻で童貫がどう巻き返し、梁山泊は童貫にどう対抗するのか。
楽しみだ。